第二話

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毎日ここに来て自分の学校はいいのだろうかと心配になる。 譲は昨日もΩ生徒達が生徒会の人達をみようとしていた事を教えてくれた。 その情熱は正直羨ましいよ、真似はしたくないけど… 「そういえば昨日Ωが紛れ込んでたみたいで大変だったんだって!寮がちょっとした騒ぎになってたみたいだよ」 「っ!?」 俺のせいだ、本当に申し訳ないと心の中で謝る。 譲は部活を見学して帰ったのが遅かったみたいでその騒ぎは人に聞いただけみたいだ。 結局生徒会のファンが紛れ込んだだけだとなり解決したそうだ。 響先輩がそう言ったから皆深くは考えず信じたみたいだ。 庇うだけじゃなく最後まで俺に疑いを掛けられないようにしてくれた……本当にいい人だな。 譲は紛れ込んだΩを見たかったと野次馬根性で残念がっていた。 そしてなにかを思い出したようにこちらを見た。 「蒼、俺…昼休みサッカー部の人達と飯食う約束してさ」 「もう仲良くなったのか?」 「昨日部活見学した時にな」 「そっか、俺は気にしなくていいよ」 譲は俺と違って高校生活を満喫しているんだな。 俺も爽やかな青春送りたいが、あまり下手な事出来ないよな。 こっそりため息を吐いた、俺がαだったらなんて現実逃避はなるべく考えないようにしよう。 そして、時間は進んでいき昼休みのチャイムが鳴り響いた。 譲は部活の先輩達と昼飯を食べるために俺に手を振り教室を出て行った。 きっとこれからも部活の先輩達と食べるだろうから俺は一人になるな。 譲以外の友達を増やすとΩだってバレないようにさらに気を付けなくてはならなくなるからあまり友達は増やしたくない。 今日は弁当を持ってきていた、食堂は高いから昨日昼飯のついでにコンビニで買った弁当を持ってきていた。 天気もいいし、裏庭で食べようかな…確かベンチがあった筈… 皆食堂にいるみたいだからのんびりと食事を楽しめるだろう。 そう思って裏庭に続く扉を開けたら先客がいた。
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