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αの学園だし滅多にヒートにはお目にかかれないだろうし、その間に番を作ればいいと思っていた…これを見るまでは…
「と、突然ヒートしたりしないよな?」
「薬飲んでる筈だから大丈夫じゃない?」
Ωはヒートを抑える抑制剤を病院から無償で提供される。
それを飲むとヒートを一時的に抑える事が可能だ。
しかし本当に一時的なもので毎日飲まないと効果がなくなり、飲み過ぎも身体に悪いとされている。
俺も薬を毎日飲んでいるが俺の持病とは違うからΩは大変だなといつも思っている。
俺の家系は全員αだから抑制剤がどんなものか見た事がない。
俺の薬は寮にいる間、毎月母に送ってもらう事になっていた。
なにかあったら必ず電話する事を強調され俺を見送る母を思い出す。
ヒートに怯えるな、そうだ…俺は一人でも大丈夫だって…そう両親に見せるんだ。
Ω達から離れて大きな校舎に向かって歩いていく。
あれが校舎?嘘だろ?あんなテーマパークの城みたいなの見た事ないぞ?
「俺ってαだからそこそこ顔はいいけど蒼って凡顔だな、本当はβだったりして!」
「俺の人生、何度も言われ慣れたけど俺の家…αの家系なんだよ」
「あー、じゃあαだわ!」
性は血液型と一緒でαとαの子供はαしかあり得ない。
だから俺はαだ、それは誰もが疑わない絶対なんだ。
譲も納得したようで俺とID交換しようとスマホをカバンから取り出しだ。
不安だった高校生活、早速初めての友人が出来た。
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