Dom

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 根元に巻きついたバンドは、先っぽから垂れる汁で濡れている。  身体を拘束しているわけじゃない。手足は縛っていないから、海老沢がその気になれば、いつだって自分で外せる(いましめ)だ。  海老沢はSubだから、Dom(オレ)の「命令」には基本的に逆らえない。  でもオレは海老沢を命令で動かすつもりはないし、そのつもりで言葉を発したことはない。 「自分で外すな」と、言ったわけじゃない。  ただ、「イかせてって言えば、外してやるから」と言っただけだ。  ちょっと恥ずかしいセリフを言わせてみたくなったんだ。寸止めに耐えられなくなった海老沢が、恥ずかしそうな顔で、イかせてって言うのが見たかった。  ちゃんと言えたら、褒めて、頭を撫でて、(いましめ)を解いて優しくイかせてやるつもりだったのに。  こんなに抵抗されるとは思わなかった。  でも、オレだって引っ込みがつかないんだ。  辛そうに喘いでも、眉を寄せて涙を流しても、海老沢がこのプレイについてきているのは、自分の意思のはずだから。  イかせてって言うまで、外してなんかやれない。  オレは唾液でベタベタに濡れた耳から口を離して、首筋に舌を這わせながら胸まで下りた。  後ろは挿れっぱなしで。 「……っ!」  ピンクの乳首を口に含むと、海老沢の身体がビクッと跳ねた。  舌先で、そこをぺろぺろ舐める。  肌色とピンクの境目。粟立つような小さな粒々。だんだん硬く勃ち上がっていく蕾。その頂上にある、わずかな凹みまで。  見なくてももう、色も形もわかる。舌先で感じる。  刺激されると、ぎゅっと凝縮するように赤く色づくことも。乳輪の粒々まで勃ち上がることも。  もう知ってる。 「ん……う……っ」  海老沢の腰が、もじもじと動く。  乳首がイイんだってバレないように、声を抑えているのがかわいい。  お前忘れてんじゃねぇ?  挿入(はい)ってんだよ?  いっくら声我慢したって、そんな腰震わせて中きゅんきゅんさせたら、バレバレなんだけど。  舐めながら、ニヤニヤする。  顔が見たくて目だけを上げたら、顎を引いてた海老沢の涙目と視線がぶつかった。 「お前、最近、乳首好きなぁ」 「違……っ」 「違わねぇだろ」 「んや……っ!」  赤く膨らんだ先っぽを噛むと、中のオレがぎゅっと締めつけられた。  嘘つきな海老沢の上の口。素直な下の口。 「い……痛いっ、い、や、痛……っ!」  前歯の間にゆるく挟んで、そのまま下顎だけを前後にぐりぐりする。  海老沢が身じろぎするけど、下手に動いたらもっと痛い。
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