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Sub
目が覚めたら、夜の8時だった。
本郷は泊まっていけばと言ったけど、俺は確かめたいことがあって、
「母親が夕飯作ってるから」
という理由をつけて、家に帰ることにした。
女子じゃねんだから、と断ったのに、本郷は結局家まで送ってくれた。コンビニ行きたいから、そう言って家を出たときには、どうせそうなるだろうって分かってたけど。
本郷はその道中、さっき俺をSubって呼んだことに、全く触れなかった。満開になったら、ホントの花見に行こうとか、最近料理を始めたんだとか、そんな話ばかりで。
でも俺は、眠りに落ちる寸前に聞いた、あの言葉が耳から離れなくて。家に帰ってすぐに、自分の机で保健体育の教科書を開いた。
性属性【ダイナミクス】の項目は、「私たちのからだ」の章の後ろの方に、おまけみたいについていた。
少しテカリのあるページをめくり、その項目を開くと、そこにはやたらとDomとSubという2つの英字が散乱している。
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