ごめんね、ばあちゃん

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 ばあちゃんの家は駅にして二駅離れた所にある。  言葉の通り、二十分ほどでタクシーに乗ったばあちゃんが現れ、そのままばあちゃんちに一緒に連れて行かれた。  親と一緒じゃなく自分だけんばあちゃんちにいるというのが何か不思議だった。じいちゃんは俺がもっと子供の頃に死んでいたので、ばあちゃんは一人暮らしだった。  親にはばあちゃんの方で話をつけてくれたらしく、その晩はばあちゃんちに泊まった。  ばあちゃんは二人じゃ絶対に食べきれない量のおいしいご飯を作ってくれて、その日ははお腹いっぱいに食べた。  ばあちゃんは俺が学校をサボった理由を何も聞かなかった。ただ、俺が何か言うと優しい目でうんうんと頷いた。  家だと親がすぐに何かあったのかと聞いてくる。それがウザかった。その時はばあちゃんのそういう態度がありがたかった。  もうこれ以上食べられないくらいたらふく食べて、思う存分寝たら、翌朝は不思議と学校に行こうという気分が沸いてきた。  元々そんなにたいしたいじめじゃなかった。  俺が強い態度に出るといつの間にかいじめは止んだ。
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