ごめんね、ばあちゃん

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 目覚まし時計もスマホのアラームもいつのまにか止んでいた。もう何時になっているのか全然分からない。  会社の始業時刻はとうに過ぎているだろう。  でも、いつのまにか仕事のことなんてどうでもよくなっていた。 あの時の優しいばあちゃんを思い出すと、涙が溢れ出てきて止まらなかった。  何であんなに優しくしてくれたばあちゃんの七回忌に行かなかったんだろう。どうして墓参りの一つでもしてこなかったんだろう。どうしてばあちゃんのことを思いだしてこなかったんだろう。  後悔の気持ちが涙とともに零れ続ける。  スマホの着信音が鳴った。すぐに留守電に切り替わる。  会社の人間が電話をしてきたのだろう。  出たいけど出れない。ばあちゃんが今も俺の上に乗っていて、身動きがとれない。迷惑をかけるのは申し訳ないが、全部自業自得という気分だった。  俺がばあちゃんのことを無碍にしてきたのがいけないのだ。  仕事よりも、起き上がることができたらばあちゃんの墓に行って今までの不義理を詫びたかった。  またスマホの着信が鳴る。相変わらず動けない。  着信音を聞きながら疲れていつのまにか眠ってしまった。
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