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都心部を抜け混み合う車が、まばらになってきた。
真夏に比べれば昼間でも、まだ落ち着いてきてる気温。
窓をあけて、風を切り、走って。
海に向かうまでに見つけた小さなうどん屋で飯を食って。
「シャレたランチにならなくて残念だったな」と、我ながら意地の悪い顔して笑ってやったつもりが。
「ううん、めちゃくちゃシャレてます!」なんて、仕事中に見てる時よりも力の抜けた笑顔が見えた。
非日常は、それだけで胸を高鳴らせるけど。
俺は、自然と。
日常の中に、この笑顔が欲しいとか、クソ恥ずかしいことを思ったりして。
だけどそれは、思うだけでは実現しないことも同時に、胸の中を巡ってた。
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