好きだ

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*** 例えば、古い記憶を辿ってみると。 中学の頃だ。 彼女ができた。 好きだったのかと言われると、まあ好きだったんじゃねぇの? って、それくらいの想い出。 ただ、好きだと言われて、応える。 その後は、何度相手が変わっても。 ただ、同じことの繰り返し。 気持ちに応えるか。 もしくは、言わなきゃならねぇ流れに女が持ってきたなら『付き合う?』と、とりあえず言う。 断られたことは、なかった。 そりゃそうだ。 思い返せば俺に気のある奴にしか言ってこなかったんだ。 気があるからこそ寄ってきてるわけで。 流れに任せて、なんて。 そんな余裕が持てない相手が初めて現れて。 『言わずにはいられなくなる瞬間』 を、知った。 仲間内で、惚れたなんだと盛り上がってた奴らを。 どこか冷めた目で見てたあの時の余裕ぶった自分が滑稽だ。
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