大嫌いの裏側で恋をする

叶った恋の先

そりゃ料理くらいできなきゃいけないと思いながらも、例えばこういう鶏肉。
焼いてみたって焦げるばっかで中には火が通ってなかったり。
コンソメスープだって、味が薄いなって足せば辛くなって、薄めたら薄くなりすぎて。
またコンソメ足して……を繰り返してエンドレス。
思い返しても、うまくできた記憶がない。

「まあ、吠える暇あるなら食えよ、もう言ってる間に夕方」
「…………おいひい」

もぐもぐとひとくち頬張った鶏肉を噛みしめる。 コンビニで買うお弁当も似たようなのあるけど違う。 染み出す何かが違う。

「高瀬さんこれ以上ポイント稼ぐのやめてくださいよ」
「なんの話だよ」
「これ逆ですよね、普通彼女の方が手料理を振る舞ってポイント稼ぎません！？」

涙目で嘆く私を見て高瀬さんは笑う。