社内恋愛はじまりました

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「よ、吉川さん……」 なんだか力が抜けてしまって、ロッカーにもたれ込む。 すると慌てたような声で吉川さんが言った。 「あ、でも待って! 違うよ、口止め料とか別にして言わないつもりではいたの。 石川ちゃんの気持ちはわからなかったし、でも首突っ込んだら高瀬くんの気持ち黙ってられる自信もなくてね」 「……そうなんですか?」 「うん……、高瀬くんとは何だかんだ付き合い長くなってきたし石川ちゃんは大事な後輩だし。 変なことして掻き回したくなくてさ」 最後に吉川さんは、ゴメンね。 と小さく頭を下げてきた。 「な、何してるんですか!?」 「だって石川ちゃん、高瀬くん好きだったならあの噂いい気分しなかったでしょ。 すぐ言わなくてごめん」 吉川さんらしい言葉と行動に、少し胸が温かくなる。 「謝らないでくださいよ、私吉川さんのそうゆうとこ大好きですよ」 え? と、小さく呟いてからワンテンポ遅れて吉川さんに抱きつかれ頰をスリスリされる。 「石川ちゃん〜〜私も大好きだよぉ! てゆうかおめでとう! てゆうか私も彼氏欲しいいい」 「あはは、高瀬さんからの紹介に期待ですね!」 「石川ちゃんからも早くしろって言っといてよ高瀬くんにーー!」
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