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「何がです?」
「いや、思ったよりオッサン出来上がってるから余計なこと言ってたろ」
「へ? 余計な?」
「……いや、まあ、いい」
それきり会話が途絶えてしまった。
すると。
「いきなり妊娠させるヘマはしないですよ、課長。高瀬はその辺うまくやります」
「ぶっ!」
「ちょ、何してるんですか高瀬さん!」
お冷やを吐き出した高瀬さんに、おしぼりを渡してると。奥田さんか間宮香織を捕獲したまま私の正面に座ってニコニコと続けた。
「ん? 高瀬、今その話しようとしたんじゃなかったの?」
「ちげぇーよ。課長がしょっぱな下ネタぶっ込んできやがったから、なんつーかとりあえず」
「あ、ああ、気にしてませんよ。あんなの下ネタのうちに入りませんよ」
課長の下ネタなんて、まあ酔うといつものことだし。
笑いながらだから適当に返すと高瀬さんはムッとしたような表情を見せる。
「気にしろよ。つーか俺が気にくわねーんだよ、自分の女ネタにされんの」
「お、女って」
恥ずかしくなって俯いてると、コトっと音がしてビールが運ばれてきたのがわかった。
顔を上げた瞬間、私の目の前にあったビールを間宮香織かグイッと飲む。
というか、飲み干す。
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