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続く言葉をうまく心から取り出せなくて、高瀬さんを見上げる。
絡まった視線。
夜空と繁華街の煌びやかな灯りに照らされてイケメン度が死ぬほど上昇してる。
そんな高瀬さんが軽く微笑んだ。
「俺は、そうゆう面倒ごとやら全部引き受けるつもりでお前を好きだって、伝えたから」
「……い、いきなり! そんなイケメン振りまいて!ときめく事言わないでくれますか!」
もう限界! 直視できない、イケメンのイケメン台詞に私殺される。
堪らず叫んだら、高瀬さんの細められていた瞳は大きく見開かれ。
やがて意地悪に口角を上げた。
「へーえ?なるほどな、お前は今のでときめくのか」
「……ぐっ!なんか私がちょろい女みたいな!」
「違うのか?」
「違います! 違うはず!」
高瀬さんはククッと喉の奥で笑い声を上げながら、絡まる指先に力を込めてきた、ような気がした。
そのままグイッと引っ張られ、繋いでた手を離される。
離されたもんだから、体勢を崩しかけて。
そんなところを肩を抱かれ受け止められた。
ポスンと、うまいこと高瀬さんの腕の中だ。
……そう。うまいこと、女を扱うからちょっとだけ胸が締め付けられる。
(なんでもかんでも慣れすぎなんだよ、高瀬さんのバーカ)
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