7693人が本棚に入れています
本棚に追加
/337ページ
***
電車のドアの両端、互いに窓の外を眺めながら無言で手すりに体重を預けてる。
金曜日の夜9時だし。
電車の中はそれなりに混雑してて、沈黙を気まずく思わなくていいほどにはザワザワとしてる。
けど、どう見ても。
最高に機嫌の悪い高瀬さんは、待ってたって、もちろん何も話してこない。
……まま、電車に揺られ続けた。
直行直帰わりと多いし、いつも営業車乗り回してるイメージだけど今日は一緒に電車で高瀬さんのマンションに帰る。
高瀬さんはあんまり電車が好きじゃないようで、2人で出かける時も大体車だから。
なんか新鮮じゃない?
……とか思って、楽しみに1週間頑張ったのになぁ。
空気が重すぎて、私の身体も重くなってくる。
最初のコメントを投稿しよう!