一緒にその先を描こう①

36/73
前へ
/337ページ
次へ
課長、という単語に私の心臓が萎縮した。 ……ような感覚。 「なに?秋田さんの他も何かあんの?」 「あ、あー!いえいえ、ちょっとミスって手際悪くなってたのと、後はプライベート的な」 そこまで声にして、 ハッとしても、もう遅い。 この誤魔化しじゃ、気にしてくれと言ってるようなもんで。 「おい、仕事のミスは俺に関係あるだろ。つーかプライベートなんてもっと関係あんだろ、言え、吐け」 「は、吐けって仮にも彼女に……」 「つーか、お前のプライベート?俺のもんだろが、それ」 「……いやいやいや、言い方!」 シレッと言ってのけるから、こっちが恥ずかしい。 てか、とりあえずここで騒ぐのはダメだ。 定時直後の女性陣が1番行き交う時間帯は過ぎてるものの、どう考えても目立つ。 事実数人がチラチラと見ながら通り過ぎた。
/337ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7693人が本棚に入れています
本棚に追加