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「なるほどねぇ。うんうん、この程度の付き合いなら俺も頑張りがいがあるよねえ」
含みある言い方。
「は?」
と、そりゃもちろん高瀬さんは秋田さんの方を振り返る。多分きっと、いや絶対睨んでるし。
「なあ、秋田さん。あんたマジでこの間からなんなんすか?」
「ははは、何だろうねえ。とりあえず目立つし帰ろうかな」
帰る前に答える気ありません?と、語尾強めに放った高瀬さんには応えずに。
私たちに背を向けて少し歩いた秋田さんが振り返る。
「石川ちゃん、俺ならいつでもご両親に挨拶に伺うから。任せといて」
何を言うかこの人は!
「け、結構です!!」
叫ぶようにして言葉を返した、その声が消えるのを待たずに高瀬さんが私の手首を持つ。
キツく握られて、痛い。
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