一緒にその先を描こう①

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「お前は何でいつも素直にものを話さねーんだ」 「だから友達と話してたのを秋田さんに聞かれてて、からかわれてるだけですって!」 出てきたはずの会社のビルに再び引っ張られながら入り、バシ!っと乱暴にエレベーターのボタンを高瀬さんが押した。 無言。 ダメだ、耐えられない。 高瀬さんはもともと口が悪いし怒りっぽいけど。 秋田さんが絡むと、それら全てが助長されてる。 やがてエレベーターのドアが開き、手を引かれる。 高瀬さんが地下のボタンを押すのを眺めながら、私は小さく声を出した。 「あの、色々秋田さんのこと気にしすぎというか。本当に私からかわれてるだけで……」 「あの人はお前が異動してきた頃から、タイプだの可愛いだの、ヤリてぇだとか言ってたんだよ意味わかるか」 「……は?」 返ってきた言葉をすぐに飲み込めなくて、間抜けな声が喉をすり抜ける。 「お前が気付いてないだけで、しょっちゅう課長や俺に会いにうちに来てたからあの人」 「そうなんですか……」 「お前のこともよく、見てたと思うけど」 1階から地下へ降りただけなので、エレベーターはすぐに停止してドアが開かれた。
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