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「間宮さん、今回の更新の後、自社雇用になるってほんとかな?」
「うん、前に岩本課長と派遣会社の人話してるの聞いたって」
「一課、今間宮さんいなくなったらヤバいじゃんね?高瀬さんの顧客多いし、システム変更で余計な仕事も増えてるし」
「ね、ピンチヒッターのはずが1番ミスないよね。経理の友達が書類が正確だって褒めてた」
「あー、美人で仕事もできるとか何なの?吉川さん2号?羨ましいねー」
きっと小さな声なのに、周りの音が全部消えてしまったみたいに耳に響く。
また顔を上げられなくて。
間宮香織が正式にうちの課のメンバーになったら?
今の私って相変わらず小さなミスだらけで。
挙句。
それを高瀬さんに知られることまで怖くなってしまってる。
(そんな奴より彼女をペアにしたほうがいいって)
実はよく人を見てる課長は思うかもしれない。
高瀬さんも、仕事には真面目な人だから。
課長と同じように、思うかもしれない。
メモに使った大きめの付箋の束から秋田さんの番号をめくり取った。
その行方を、私の手は、迷ってる。
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