一緒にその先を描こう①

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「もともと君、華奢だけど更に痩せたんじゃない?太ったっていいんじゃない?」 「……どうも、ありがとうございます」 秋田さんがピザやサラダをお皿に盛って私の前に置く。 「す、すみません」 「いえいえ。営業だし独身だし手際ばっか良くなって嫌だよねえ」 苦笑する秋田さんを見ながら、小さく左右に首を振ってピザをひとくち。 「仕事大変?」 落ち着いたトーンで、ゆっくりと聞かれた。 「いえ、私じゃなかったら大変ではないと思います」 「そうなの?」 こくっと、小さく頷き続ける。 「まわりの女性陣からも面と向かって言われましたよ、仕事もできないし美人じゃないし釣り合ってないんだとか」 「おー、話飛んだね、高瀬くんとってこと?」 また、小さく頷く。 「それは、めげたくなるね」 秋田さんは、小さく口角を上げて笑う。 その言葉に驚くほど、私はホッとしてしまった。 そうだよ、めげたくなるよね。 って、まるで弱さを肯定されたみたいに思って。 なのに、なんでかな。 秋田さんのいる、目の前しか見えないみたいに身体が固まるんだ。 まるで、見渡しちゃダメみたいな気持ちになる。 踏ん張って地に足つけてた私が、 甘い毒に消されてくみたいだ。
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