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――それからも私の愚痴を中心に会話は弾んだ。
車に戻って「ちょっと走ろっか」って。
海沿い。
前に、高瀬さんと見たのは昼間の景色。
今は夜。
このまま走って、その先はどこに行くのかなんて子供じゃないしわかってる。
美味しいご飯ご馳走になって、値段見て。
それが何を意味してるのかなんて、わかってる。
「前にも言ったけど、俺、いろんな形の愛し方や愛され方があると思うよ」
ボーッと窓の外、流れる景色を見てた私に秋田さんは言った。
「すべてをさらけ出しながら、向き合いながらする恋愛も素晴らしいとは思ってる。でもさ、君は無理じゃない?」
静かだけど、ハッキリとした声だ。
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