一緒にその先を描こう①

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「石川ちゃんは不器用だよ。そして弱虫で卑屈だし、強がり」 秋田さんの優しく甘い声を聞くたびに、どうしてか。 スッと、胸の奥が引き締まるようにして。 冷静になってく自分がいる。 「そこに愛されていたい自分の維持まで加わったら、ねぇ?こうして仕事に集中できなくなるんだ」 (〝客観的に見られてる〟自分を聞いてるから?) 「知ってるよ、俺ね、そうして精神すり減らして壊れてった女を知ってる」 ふと、唐突に、胸に湧き上がる自分への疑問。 あれ?私どんだけアホ? 不器用で弱虫で卑屈、そして、つよがり。 それを見せたら嫌われると、どうして決めつけて逃げてる?
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