一緒にその先を描こう①

66/73
前へ
/337ページ
次へ
「と、ゆうか、ですね。秋田さん」 「今度は何?」って、笑い声を止めることができないままスマホを取り出し、それを片手に私を見る。 「恥ずかしながら、私は今わりと本心ぶちまけてみましたけど、秋田さんは全くですよね」 「へえ、そう見えるのかな?」 彼にしては、驚いたみたいに本気で見開かれた瞳。 「秋田さん、こんなクソな私に別れた奥さん見てるんでしょう? 精神すり減らして壊れていったのは、その方ですか?」 数秒の沈黙の後。 「……どうかなあ」 って、曖昧に答えてシートにもたれ肩をすくめた。
/337ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7693人が本棚に入れています
本棚に追加