一緒にその先を描こう①

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車内にひんやりとした空気が紛れ込む。 助手席側のドアが彼の手によって開けられたんだ。 「行っていいよ。高瀬くん今ねえ、出先から会社に戻ってるとこだって」 スマホの画面を私に見せて、ニコニコというか、ニマニマしてる。 「え?なんで?って」 もしかして。 さっきから、スマホいじってたの、高瀬さんだった? 目で訴えても、安定の笑顔しか返ってこない。 この人の言葉と行動、どこまでが本気で、どこからが試してて、どこからが。 嘘だったの。ほんとだったの。 「――っ、秋田さん!私、誘われてのこのこアホみたいについてきた女ですよ。それ優しすぎません?」 言いながら声が少し震える。 視界がじわりと、歪んでしまった。 あー、俺泣いてる女好きだからやめて。と、いつもの明るい軽口が聞こえてくる。
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