一緒にその先を描こう①

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「ま、評価上がりすぎても良心痛むから、言うけど。俺、優しくないよ。石川ちゃんがもうちょいメンタルやられててくれたら無理やりにでも俺のものにしたよ、多分ね」 「……っ、そんなの、だから! わかってて来たんですってば!無理やりにでも高瀬さんのこと、考えなくてすめばって……!」 (もう、ほんと、ほんと私は未熟だ) この歳なら、もっとしっかりした大人だと思ってたよ。 秋田さんも、高瀬さんだってそうだった。 仕事でもそうじゃなくても、こんな未熟な人間の判断ミスに優しい。 優しいから尚、私はミスに気がつくんだ。 開けたままのドアから冷たい風が入ってくる。 「うん、それ、大歓迎だから君を誘った」 冷たい風が背中を刺激して、甘い視線が絡みついて。 ああ、ほら私。 今こんなにも冷たい風の中駆けていきたい。 目の前は、こんなに、暖かそうなのに。
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