一緒にその先を描こう①

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「凄く嬉しかったんです、会社で顔を上げたくないくらい惨めな気持ちになって、なのに秋田さん優しくて、いつもみたいに軽口叩いてくれて」 カバンを持つ手に力を込める。秋田さんは、なんにも言わない。 いつも人の話割って入って、ペース乱す人なくせに。 こんな時には、ゆっくりと人の話を聞くんだ。 「でも、私頑固だから高瀬さんを好きな気持ちが捨てられない」 「別に高瀬くんとつきあってたままでも考えてくれてよかったよ?」 「で、できません!まさか、そんな」 そんな、ずるい気持ちのままで。 「秋田さんと一緒にいられる器用さがないです」 「だから、ごめんなさい」と、勢いよく下げた頭を優しく撫でられる。 高瀬さんのとは違う、力加減で。 「うん、わかった」 静かに答える秋田さんの声を聞いて、私は乱れた呼吸を整えたくて、小さく息を吐いた。 頭を撫でる手のひらの暖かさが、チクチクと胸を刺激してる。
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