一緒にその先を描こう①

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「あ、石川ちゃん。ごめんね、最後に」 「え?」 何かを思いついたような、そんな声の後に、 ちゅっ、と。軽く額に唇の感触。 顔を上げると切なそうな笑顔があった。 いつも余裕いっぱいに細められて、人を見定めてるみたいな瞳が今は揺れてる。 秋田さんの大きな手のひらが、私の前髪を掻き上げて。 そして、静かに言った。 「君の言う通り。彼女を重ねて見てたよ、君みたいに負けん気が強くて頑固でどうしようもなくつよがりな女でね」 「……はい」 私から見てもわかるくらい、秋田さんの瞳が影を落とした。 その瞳の変化に胸が痛む、もしそんな私だったら。 どんな明日が、未来があったかなぁって。 ……そんなふうに少し思ったこと。 そっと心の奥にしまっておこうと思った。 「自分の中の罪悪感を消そうとしてたかもしれないね、君を使って。こんな風に、愛してやれば彼女は今も笑ってたのかなって思ってきた色んなことを」 「俺も君を、利用しようとしたんだろうね」 と、最後に付け加えるようにして呟かれた声は哀しい。
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