一緒にその先を描こう①

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「だから〜、そうゆうこと言わないんだよ、石川ちゃん。本気で気が変わっちゃうよ」って困ったように言った、その表情を。 見つめながら。 私は、ゆっくりと、でも力強くドアを閉める。 バタン、とドアが閉まる音。 切なく、そして自分の弱さを責めるように、その後は響いた。 耳の奥から、ぎゅっと入り込んで全身に伝う。 そんな後悔をそのままに。 くるりと、甘い笑顔に背を向けた。 ひんやりとした11月の夜風を切って、一歩。 また、一歩。 数歩進んだ後に、走り出す。 冷たい風が頰にぶつかって冷たい。 だからもっと走る。 (高瀬さん、高瀬さん、高瀬さん――!) 全部見せたら幻滅される? 話したら、嫌われるかな。 でも、どんな結果でも。 曝け出した、その先へ、私は今度こそ。 進みたい。 誰の胸にも恋への恐れが、きっと、あるんだから。 秋田さんにも、私にもあったみたいに。 ねえ、きっと。 高瀬さんにも、見せない心が。
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