一緒にその先を描こう②

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「で、電話出ないんですか」 「いい。急ぎじゃない」 だから続き話せ、と促されて、再び口を開きかけると。 「……チッ」 また、鳴り始めた高瀬さんのスマホ。 ゴメン、と高瀬さんは短くジェスチャーして着信に応える。 「何すか」 「……は?いますけど」 そこまで、不機嫌そうに答えて。 驚いたように、大きく目が見開かれる。 やがて、その目が、私を見る。 「……いや、いい。本人と話しますんで」 淡々とした、声。 私は、その着信の相手が誰なのか。それが予想できてしまって咄嗟に下を向く。 「あー、はいはい、わかりましたよ……って、はあ!?」 突如大きな声が高瀬さんから出て、 「誰が!アンタがこいつとヤる為に取った部屋使うかよ!!!!」 「え!?」 思わず大きい声が出た。 (考えるまでもない!) どう考えても相手は秋田さんで、高瀬さんは何を聞いたと言うのか。 いや、何となく想像ができて、ますます俯く。 「……あー、石川」 通話を終えたのか、スマホを操作しながら高瀬さんが、大きなため息の後私を呼んだ。 「……っ、はい」 そうだ、俯いててどうする。 私が、したことだ。 間違いなく、私が逃げた結果じゃない。 自分から告げるのと、先に知られてしまうのと。どっちかと言えば恐ろしいのは知られてしまう、この今の状況なんだけど。 なんて、ちょっと弱気になりながら唇を噛みしめ第一声を考える。 その沈黙の間に目の前の高瀬さんは、 表情なく前髪をかきあげて「とりあえず、乗れ。ビルの中だと誰の目があるかわかんねぇだろ」と。 いつも高瀬さんが使用してる白い営業車を指して。 そう言った。
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