一緒にその先を描こう②

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「で、話戻るけど妹な。まあ、お前見てるとそんな感じするわなぁ。無駄にいつも力んでるってか、トゲトゲしてると言うかな」 ……うっ、と。私は図星すぎて唸るしかないのだけど。 シレッとした顔で高瀬さんは言う。 当たり前みたいな顔をして言う。 「つーか俺なぁ、美人とか見慣れてんだよマジで」 「は????」 私からはドスの効いた声が出た。 車で彼氏と見つめ合って話してる女が出す声では、まず、ない。 「いや、睨むなって。自慢じゃねぇし」 「いやいやいや自慢でしょ?」 「違う、だから、お前の妹がどうしたよって話だ」 は?と、まだ可愛げのない声で聞き返すと何ら悪気のない、というか。 結構ドヤって言ってくる。 「世間一般的に言われてる美人相手でも俺はこんなに惚れなかったって、言ってる」 「……へ」 「お前にしか惚れなかった。わかるか?」 「…………え」 ぽかんと口開けて眺めてたのか、鼻をつままれたので苦しくなりブハッとむせると高瀬さんは楽しそうに笑い声をあげて。 「自信持てよ」 そう短く言った後、高瀬さんはまたシレッと言った。
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