第3章 偽解放者の側近で

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『ふふふっ、ええ得られました。彼の話を聴く限り、どうやら彼らは君、本物の解放者をおびき寄せようとしているみたいですね』 「……ほう……どうしてそういう結論になった?」 『今は過程などどうでもいいでしょう。とにかく、彼らの狙いは君である可能性が高くなったんです。  警戒はしっかりしてくださいよ。探りを入れるために、自ら接触しにいくのは、くれぐれも避けてください。彼の思うツボになりかねません。  それとも、もしかして既に彼らに接触を始めたりしちゃってます?』  お前がそうさせたんだろうが。 「安心しろ。愚直な行動はとってない」 『そうですか、それは良かった。では、また。なにか情報が入り次第』  最後にそう締めくくると、田村は通話を切ってきた。  にしても……本当に最低限だけの情報だったな。これでもし、小林圭と田村しか知らない情報をうっかり、解放者ボブが出したら疑われるわけか……。  まったく、随所にアミを仕掛けてくる奴だよ……。
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