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そう、ここは圭の家。しかも、ばっちり圭の部屋である。ちなみに、スマホにもケータイにもそんな連絡は来ていない。
「えぇ? 大丈夫、おばさんにはちゃんと挨拶してるよ!」
「そういうことじゃねえ! あと、そのグッドサインやめなさい」
圭は念のためスマホの電源を落としポケットにしまった。
「一応さ、俺たち高校生だろ? あんまり男子の部屋へ勝手にあがるもんじゃ」
「お客さん、来てるけど……お水もでないの?」
やったね、圭は軽く怒りを覚えた。
で、下にいた母からジュースをもらって、部屋に上がっていった。
「てめえ、しれっと嘘ついてんじゃねえよ」
「え、なに?」
「母さん、お前が来てること、知らなかったぞ?」
「あれ? バレた?」
「バレたじゃねえ!?」
やったね、圭が覚えた軽い怒りが強い怒りに進化した。
チョコンと圭の部屋に居座り、ジュースを飲む亜壽香。なんというか……もうすごい。正直言って、圭ならもう、亜壽香の部屋にはもちろん、家にも入る勇気はなくなりかけてるんだがな……。
なんというか、幼馴染といえど、男女ってのがな……どうも……。
「お前、俺んち来るの、抵抗ないのか?」
「抵抗? なんで?」
「いや……なんで……って」
そうはっきり質問し返されると何とも言い返せない。
「なんか、用事が?」
「ないよ」
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