第2羽 夕焼け空に羽ばたく

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 どこに飛んでいったのか。僕は部長の紙飛行機を探して、プールの方に来ていた。水泳の授業が終わったばかりなので、プールにはまだ水が溜っている。フェンス伝いに僕は歩き出した。寒さも増してきて少し風が冷たい。とぼとぼ歩いていると、少し離れた場所に白い物体が落ちていた。部長の紙飛行機だとわかって、急いで拾いにいく。  紙飛行機はずいぶん年季が入っているようだった。本来白いはずの部分はうっすらと黄ばんでいて、しっかりとついている折り目は大切に折られたことを物語っていた。胸が温かくなった気がした。その時、誰かに肩を叩かれた。 「そんなんじゃなくて俺らと遊ぼうぜ」  不良たちが背後で薄気味悪い笑みを浮かべていた。
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