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「キタキツネさん!おいら達が寒そうな君を暖めてあげるよ!!」「うんうん!」
妖狐の兄妹は、サッとコン惑するキタキツネに前肢を差し伸べた。
ぽっ・・・
ぽっ・・・
「キタキツネさーん。」「ほら、狐火だよー。暖まってね。」
2匹の妖狐の差し伸べた前肢の肉球から、青白く淡い狐火が浮かんできた。
「それが、どうしたの?」
キタキツネは、前肢で頭をポリポリ掻いて言った。
「だって、言ったじゃん。キタキツネさんが「寒い」って?」
「右コン、『あれ』やっちゃいましょう。」
「『あれ』ってなあに?左コン?」
左コンは、前肢を交互に動かしてみた。
すると・・・・・・
「ほうら、狐火が動く動く動く動く!!」
「で?」
キタキツネは、大あくびをして寝っ転がった。
「右コン、これ程渾身の『妖術』使っても全くあのキタキツネは全くウケないよー?!」
「そう嘆くな左コン。おいら達には『あれ』があるじゃないかい?『あれ』が!!」
「本当にここで『あれ』やるの・・・?私、ここに墜落してからヘトヘトよ!?」
「でも、『あれ』を今やらなければ!!」
左コンは、右コンの決意へのオーラが出ている事に気付いた。
・・・やっぱり・・・やるつもりなんだ・・・究極の技の『あれ』を・・・!!
右コンと左コンは、前肢を鉛色の空へさっ!と掲げた。
ぱぁぁぁぁ・・・
ぱぁぁぁぁ・・・
2匹の妖狐の掲げた前肢に、眩い光がかがやいた。
ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!
光の柱を放って飛び出した2匹のキツネに、あらゆる方向から光の粒がどんどんどんどん集まってきた。
「くか~~~~~~~~・・・」
キタキツネは退屈の余り、鼻提灯を膨らませて雪の上で眠りこけてしまった。
ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!ひゅん!
光の粒が、どんどんどんどん集まって、2匹の妖狐は眩い光を放った。
「よし、飛ぶぞ!左コン!!」
「解ったわ!右コン!!」
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