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「で!でっけぇクマ!!」「私達の故郷のツキノワグマよりでっけぇーー!!」
九尾狐は、目を輝かせた。
「ひ・・・ヒグマだーーー!!穴持たずだーーー!!冬眠してない穴持たずのヒグマは、眠れなくて何百倍も凶暴だぞーーー!!
こわいいいいいいー!!!!!」
キタキツネは顔を青ざめて、一目散で白銀の大地を駆け出していった。
「おーい!キタキツネーー!!」「待ってけれーーー!!」
九尾狐はひとっ飛びして、逃げ出したキタキツネの前に立ち塞がった。
「おい!そのでけーキツネ!!どけ!!」
「誤解だよ!キタキツネさん!そんなにあれが怖いなら、おいら達が助けてあげる!!」「それ!私達の背中に!!」
九尾狐はうつ伏せになって、命乞いしているキタキツネを背中に乗せようと構えた。
「だからどけっつーんだよ!!」
「同じキツネだから助けるんだよ!」「私達はキタキツネに逢いに態々やって来たんだから!!」
九尾狐の鼻息が、乗るのを躊躇するキタキツネの顔に吹き付けた。
のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!のっし!
「おーい!待ってーー!!九尾狐ちゃーん!!俺の憧れの九尾狐ちゃーん!!」
ヒグマは、大きな鼻の孔から煙のような息を吹き出して全速力で、こっちに向かってきた。
「こえええええ!!この巨大グマに食われるなら、凍え死ぬ方がましだぁーーーー!!逃げよう左コン!!」「何言ってるんの右コン!!キタキツネはどうするんだよ!キタキツネは!!」
「好きだよーーー!!九尾狐ちゃーーーーーーん!!」
「もうだめだーーー!!」「食われちゃうーーー!!」
ヒグマが大きな口を開いて、右コンと左コンが合体した九尾狐の鼻面目掛けて襲いかかろうとした。
ぱくっ!!
「うぐっ?」「むにゅっ?」
九尾狐はえっ?!となった。
巨大なヒグマは九尾狐の鼻面を、ペロペロペロペロペロペロペロペロ・・・と、ソフトクリームのように舐めまわし初めたのだ。
「うぷっ!!うぷっ!!きもっ!!」「よだれべろべろっ!!きもっ!!きもっ!!きもっ!!」
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