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その時、九尾狐はヒグマの顔を見て目を疑った。
「クマの目が・・・閉じてる?!」「こいつ・・・歩きながら眠ってる?」
そう、このヒグマは『夢遊病』だったのだ。
身体は冬眠してても、気持ちは歩き回っていたヒグマだったのだ。
「セリカちゃーん!!キタキツネのセリカちゃーん!!隠れてないでおいでーー!!」
「げぇっ!!」
九尾狐の物陰に隠れていたキタキツネは、ヒグマの掛け声にギョッとしてブルブル震えた。
「クマさん、キタキツネさんが怯えてるんだから脅すのは止めた方が・・・」「そうだそうだぁ。」
九尾狐は『夢遊病』のヒグマに忠告した。
「ヒグマのパァンさん!!すいません!!貴方の巣穴の前にいっぱいあったゴム風船・・・思わず・・・」
キタキツネは、脇の懐を探って萎んだ風船をヒグマに差し出した。
「この風船・・・?」「まさか・・・」
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