6#キタキツネと九尾狐を繋いだ、あの時の・・・

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 「やっぱり!!」「この風船おいらの・・・」  「ちょ・・・ちょっと!!本当はでっかいキツネさんのものなの?!」  驚いたキタキツネは、目をかっと見開いて九尾狐の顔を見た。  「うん。この九尾狐の模様、あの時、君・・・キタキツネに出逢う資金稼ぎの為に、屋台の風船売りに化けて売ってた風船だ!」「そうそう、あの時狡猾な他のキツネに騙されて、売り物の膨らませてない風船を全部盗られて追いかけて躓いて誤って飛ばした風船の1個だよ?」  「そ、そうなのぉーーーーー?!」  ヒグマは、驚いた表情で九尾狐を見た。  「愛する可愛い九尾狐さん!!奇遇だねぇ!!その風船なら、おいらの巣穴にいっぱいあるよーーー?!  いっぱい束になって飛んで来たのを、拾ったんだぁーーー!!  割れちゃったのもあるけどーー!。  キタキツネのセリカさんも、九尾狐さんも来る?」  「そうと決まったら、ヒグマさん。巣穴まで案内して!!」「おいら達はキタキツネと一緒に行くから!!  さあ、ついておいで!!おいらの背中にさあ乗って!!」  「うわーーーーー!!」  『妖術』で空を飛んだ九尾狐の背中に乗ったキタキツネは、見渡す限りの北の白銀の世界を見おろして感嘆の声をあげた。  「すげーだろー!!」「こんなサービスめったにないんだから!!」  まさか、九尾狐は憧れのキタキツネを背に乗せて飛べるとは夢にも思わなかった。  九尾狐は、『眠りながら』巣穴へ戻るヒグマを見下ろして目で追いかけて飛んでいった。    「ついたでないかいーーー!!」  ヒグマは自らの巣穴から出てきて、ゴムがかなり伸びきった九尾狐の絵柄のカラフルな風船の束を見せた。  「この九尾狐の絵柄を見て、俺は他のクマ仲間の噂になっていた、『九つの尻尾を持った金色のキツネ』を思い出して、何時かはお目にかかりたいと胸を、正に風船のように膨らませてたんだ。  このように。」  ヒグマは、風船の束から割れた風船を外して吹き口の結び目を爪でほどくと、息を吹き込んだ。  ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶーーーーー!!  ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶーーーーー!!  「あ、ヒグマさん。それ・・・割れてるんだけど・・・?!」「寝ながら動いてんだから、それが割れた風船だとは気がつかないんでないかい?」  ぷぅ~~~~~~~~~!!  
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