6#キタキツネと九尾狐を繋いだ、あの時の・・・

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 「どうだい!!ヒグマさん!!僕がくすねたこのゴム風船。元通りに僕が息を入れて膨らませて返すよ。」  風船を口で膨らませたキタキツネは、ぜぇ・・・ぜぇ・・・と荒い息をしながら窶れた形相でヒグマにその風船を渡した。  「キタキツネさん、風船膨らませられるの?!」「凄いなあ!!頬っぺためいいっぱい孕んで、まるでタヌキみたいになってたけど?!」  「?!」    「な、」「なんでもないっす。」    「いいよ。キタキツネのセリカさん。この風船あげるよ。」  「い、いいの?」  「いいよ。このゴム風船が、俺とお前を引き合わせたんだから。」    「そして、おいら達と君」「キタキツネを引き合わせた風船!!」    どろん!!  「わっ!」「やべぇ!!」  その時九尾狐の妖術が解け、元の右コンと左コンの妖狐兄妹に戻った。  「キタキツネのセリカさん。この白いキツネさん達と知り合いだったの?!  凄いねぇ。九尾狐に化けられるキツネさん達と知り合いだとは!!」  ヒグマは、キタキツネに聞いた。  「ん・・・まあ。」  「友達でしょ!!」「もう、おいら達は君、キタキツネさんと友達だよ。」  右コンと左コンは、困惑するキタキツネと巣穴の前の雪原で戯れて遊んだ。  「おいら、いい夢見たよーーー。またひと眠り・・・おやすみ・・・」  ヒグマは、九尾狐の絵の萎んだ風船の束を抱きながら、冬籠りの続きをする為に巣穴の奥に戻っていった。  「ぎゃん!ぎゃん!」  「こんこん!」「こんこん!」  尻尾に紐で、九尾狐の絵の風船を結んだキタキツネ。  そして2匹の妖狐は、北の大地で心行くまで遊びまわった。  「キタキツネさーん!」「君!化けられる?」  「できるわけないかーい!!」  ~妖狐がキタキツネに逢いに旅に行った話。~  ~fin~    
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