3#コンナとこに、キタキツネ!!

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 びゅううううーーーーーー!!ごおおおおおーーーーーー!!  「あ・・・」  「あれは・・・」  身体中に氷柱が出来る位に氷結した妖狐兄妹は、ホワイトアウトした世界にポツンと立っている黄色い生き物に目を凝らした。  「き・・・き・・・」  「き、キタキツネだ?!」  「目の錯覚?!左コン?」  「わたし、幻想を見てるの?右コン?」  びゅううううーーーーーー!!ごおおおおおーーーーーー!!  「あれ?コンナとこに白い小さなキツネさんだ。」  黄色い生き物は、黒い鼻から白い息を煙のように吹き出し、黒い耳をそばたてて、黒い脚をゆっくりと動かして、凍ったように硬直する妖狐兄妹の側へ近付いてきた。  「ど、どうも・・・遠いとこからやって来た妖狐の『右コン』です。」  「は、始めまして・・・同じく妖狐の『左コン』です。」  「ふたり合わせて、」「妖狐兄妹です。」  「妖狐・・・?」  黄色い生き物は、首を傾げた。  「ああ、解った!!あんたら、あたいの父ちゃんに聴いたよ。  神社の『お稲荷さん』でしょ?  ・・・ああ、わたし幻想見てるんだわ。  この豪雪の雪山に迷っちゃって・・・」  「そ、それはおいら達の台詞だよ?  君・・・もしたしたら『キタキツネ』なんでしょ?」  「うん。そうだけど?それがどしたの?」  「逢いたかっ!!」「たーーーー!!」  「うわーーっ!!くるな!!よせっ!!」  2匹の妖狐兄妹に抱きつかれた通りすがりのキタキツネは、重みで雪に埋まってしまった。    じゅ~~~~・・・  「ん?」  「あれ?」  妖狐兄妹は、目を疑った。    気絶したキタキツネの周りの雪が、溶けてしまったのだ。  「あ、」  「この能力。やっとここで目覚めたね。」  「遂にね。」  「わしらにやっと『狐火』の能力?!」  「やったーーー!!」「ばんざーーーい!!」  「はぁ?」  妖狐の右コンと左コン兄妹は喜びの余り、雪原ではしゃぎ回る姿にキタキツネは呆気に取られた。
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