翌なき春(あすなきはる)

高校時代

高校生になり、偶然俺は天王洲と同じ私立の学校へと進学した。

ただし、アイツはサッカー選手として将来有望なスポーツ特待生としての入学だった。

本命の高校が落ちた俺とは、違う。

皮肉なもので、そこでも俺たちは同じクラスだった。

中学の時の彼女は、卒業前には別れていたらしい。
そう噂で聞いた。

だが、相変わらず天王洲の人辺りの良い人気者の性格やハンサムな顔立ち、更に人たらしとしての才能までもが加わり、余計たくさんの女たちが周りに群がるようになっていた。