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「いつも、大勢の観客の中から清瀬がいるか探していたんだよ」
「え……」
そう言った瞬間、同じクラスの生徒たちの声が廊下から聞こえてきた。
俺は、咄嗟に天王洲の席から離れ、自身の廊下側の席へと戻った。
だが、しばらく天王洲からの何とも言えない熱い視線が注がれているのを背中で感じていた。
その視線の意味がどんなものなのか、振り返って確かめて見たかったが、勇気が無い俺は、やはり何も自分からは行動を起こせなかった。
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