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……天王洲、一体君は俺のコトをどう思ってるんだ?
そんな疑問が頭の中を駆け巡った。
その瞬間、俺は衝動的に渡り廊下を走り出した。
まだ、間に合う。
今なら、まだ間に合う。
俺の気持ち、アイツに伝えなきゃ!!
覚悟を決めて、教室へと全速力で戻った。
最後のホームルーム前の教室では、将来有望であるサッカー選手を大勢の女性が取り囲んでいた。
誰もが、その男の第2ボタンを狙っているようだった。
俺は、その様子に一瞬怯んだが、ありったけの勇気を振り絞りその中へと突入していった。
そして、無言で男の腕を掴むとそのまま廊下へと強引に走って連れ出したのだった。
周りを取り囲んでいた女性たちからは、大きなヤジや引き離そうとする者もいたが、とにかく2人きりになれるところまで引っ張って行った。
ホームルームがもう間もなく始まるが、そんなこともお構いなしだった。
それより、後悔しないように動かなきゃ……
その気持ちが強くなっていた。
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