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「そっか!それなら、俺の一方的な勘違いだったんだな。良かったぁ!」
男は、無邪気にホッと胸を撫で下ろしていた。
「……それは、俺の方のセリフだけど」
その様子を見て、俺は相手に聞こえるか聞こえないか程度の小さな声で呟く。
「……ん?清瀬、何か言った?」
「何でもない。職員室に運ぼうか」
「そうだな。本当に、日が暮れちまう」
そう言うと、俺たちは半分ずつ大量の紙の束を抱え、穏やかな温かい空気のまま職員室へと向かった。
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