4人が本棚に入れています
本棚に追加
「大丈夫?どこか痛い?それとも食べられないもの入ってたかな?」
そう言いながら、私に寄り添い、私の目から流れ落ちる涙を拭ってくれる。
包帯を巻いた腕や、所々見える火傷の痕は私のせいだろうに、それには一切触れず私の心配をしてくれる。
温かいスープ。温かい言葉。温かい眼差し。
父様のぬくもりを失ってから初めての温かさだった。
「私が放った炎はどうなったの?」
「君が倒れた後すぐに消えたよ」
「そう。私の魔力を使い尽くしたから消えたのね」
魔力切れのせいで、足元はおぼつかないし、頭もまだ少しぼーっとする。普通に歩けるようになるには二、三日かかりそうだ。
復讐のための魔力が戻るのはもっと先だろう。
「魔力が切れると大変なんだね。急ぎの用があるなら手伝うよ」
青年は私の様子を心配して、そんな言葉をかけてくれる。
真面目でまっすぐなその雰囲気に、私も正直に答えなくてはいけない気がして口を滑らせた。
最初のコメントを投稿しよう!