29人が本棚に入れています
本棚に追加
僕らはお弁当を持って、教室を出た。
学生らしいお昼を食べる場所と言えば、屋上に決まっている。
屋上へ続く階段を登り、ついに、屋上へ出るドアの前までやって来た。
ドアに手をかける。
このドアを開けたら、広い青空が広がっていて、春の心地よい風が吹き込んでくるだろう。
さぁ、屋上へ!!!!!
勢いよく、ドアの取手を回した。
すると、風がぶわっと吹き込んでくるはず…って、え?!
ガチャガチャガチャ……
なんでか、ドアが開かない。
ん??なんで??
僕と彼は、顔を見合わせた。
そして顔をドアの方に戻し…気がついたのだ。
"立ち入り禁止"
ドアには張り紙が貼ってあった。紙の端には、「生徒部」のハンコの文字。
屋上は、立ち入り禁止にされていたのだ。
まじかぃ!!!!!!
こんなのありかよ!!!!!!
俺らの青春ランチ!!!!!!!
(号泣)
どれくらい経っただろう。
彼が、まだ悲しみで震える口を開いた。
「ごはん、どうしよっか。」
もう、仕方ない。僕はかすれる声で返信をした。
「うーん、じゃあ、ここの階段にでも座って食べよっか。」
僕らは階段に座り込み、お弁当の包みを広げた。
最初のコメントを投稿しよう!