第1章)自己紹介

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壇上にいる、新入生代表ーーー大門寺三鶴をじっとみつめる生徒達の中に、ある男がいた。 彼の名前は志磨勝俊(しまかつとし)。ーー今は、たくさんの新入生の中に紛れているが、後々この物語を三鶴と共に担っていく大切な存在だ。 さてさてここで今一度、朝8:00まで時を遡ってみるとしよう。 三鶴がベンツから意気揚々と降りてきた直後に、トヨタのセンチュリーから、同じく意気揚々と地面に降りたった男がいる。 その男こそ、志磨勝俊だ。 彼は香流の家元の家系で、国内外で有名な、現代の日本における和の第一人者、志磨昌蔵の孫である。 皆さんは香道を知っているだろうか。香道とは、室町時代、時の将軍足利義政の重臣であった志磨嘉平によって開かれた、由緒正しき伝統文化である。 つまりはまぁ、彼の家はいたって平凡な和を重んじる家庭だってことだな。うん。
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