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意識は、その対象に対してはじめて成り立つ。言い換えると、意識はその対象に対応する限りにおいて生じるのであり、対象に対応する必要がある限りにおいて生じるものである、と言える。ゆえに、意識を向ける対象もなく、それに対応する必要もなく存在しうるような、「意識それ自体」などというものはない、と考えることができる。さらに、「意識がない」というのは、意識の喪失であるというよりも、対象の喪失あるいは対応の喪失であって、むしろ意識「自体」は何も喪失していないし、「意識それ自体」がないのだからそもそも喪失するものがない、ということになる。
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