〔5〕意識は、その対象に対してはじめて成り立つ。

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〔5〕意識は、その対象に対してはじめて成り立つ。

 現に生きている人間は一般に、自分に意識が保たれていることにおいて、現に生きている自分自身としての自己が保たれている、と感じている。そしてまた他の者に対しても、その者の意識が保たれているか否かにおいてその者の自己が保たれているか否かを、あるいはその者が現に生きているか否かを判断しているものと考えられる。  ということは、現に生きている人間にとっては「意識がすなわち自己である」ということになるのだろうか?
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