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その衝撃が引き金となり、胸の奥でくすぶっていた想いの名前を知った。以来、心にぽっかり穴が開いたように寂しく日々を過ごしていたときに、ようやく届いた、1通のメッセージ。
――今度は会ってくれるよね?
――そりゃ、僕だって会いたいさ。
なんて返せたら楽なんだろうけど、それができないのが僕なのだ。下手くそな泥だんごを褒めてくれた女の子に、ありがとうさえ言えないようなヤツ。
だから僕は、照りつける太陽の下、心の中で何度も「待ってる」と繰り返しながら、がむしゃらに自転車を漕ぎ続けた。
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