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白湯はいかがですかい
「白湯はいかがですかい?」
そう言いながら、答える隙も与えず僕のお椀に白湯を注ぐ。本当にこいつは飽きないな。ジジイ、そんなに好きなら入れてやるよ、そう言って僕はジジイのお椀に白湯を流し込んだ。これでもかこれでもかと、なみなみ注いで返してやった。
これがお返しになるかはわからないけど、ちょっとくらい優しくしたって調子には乗らないだろう。たまには、な。
ちゃぶ台の上にはとなりあった、空になったお椀がふたつ。
「へへ、妙なこともあるもんだあ」
延々と続く儀式の終わり、もしかしたら夢のほうかもしれないが、ジジイに飲ませてもらった白湯はうまかった。
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