22人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
リアの答えに、長官の口元が歪んだ。今まで見た中で、一番人間らしい表情だった。
「イルマの罰に含まれていたのは、人間との接触を許されないことだ。ここに『人』は要らない」
彼の言葉に、リアは死ぬ覚悟を決めた。再び恐怖に心を掴まれたが、それでも必死に笑顔を浮かべた。
「俺を、人として認めてくださり、ありがとうございます」
「愚かだな。人であることはここでは『死』を意味する」
長官は冷たく言い放つ。しかし彼もまた、震える指をしっかりと引き金に掛けなおした。
「さらばだ。リア・クロード」
最初のコメントを投稿しよう!