ノンフィクション

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写真を捨てた カミソリを捨てた そうやって1つずつ 忘れてしまえたら 過去になってはくれても 未来に消えないそれは ずっと ずっと苛み続ける いつかは時効がとか いつかも分からない日を待って 差し出された手は生温い 荒れ果てた唇差し出して それでも満たされない何か 違和感だけが引き摺られて だけど本当になってくれたらいいと願う これ以上余計な労力を費やしたくないだけ もう話さないでおこう そっとしまっておこう 焦げる痛みは無視して いつかは時効がくる そんな罪人みたいに思わされて 忘れられるわけない 呼吸みたいに キズモノの腕絡めて それでも振り払えない感触 不安ばかり積み重なって だから本当になってくれたらいいと願う 写真を捨てた カミソリを捨てた そうやって少しずつ 忘れてしまいたくて 差し出された手は生温い 荒れ果てた唇差し出して それでも満たされない何か 違和感だけが引き摺られて それでいい 罪でもないのに恩赦を欲して 横たわる体温を抱き締めた 諦めて怖がったものを もう一度、一度だけでいいから いつも本当になってくれたらいいと願う
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